刈谷市 K様邸のふすま貼替を承りました。
K様邸は築100年余りの古いお宅です。
このふすまもおそらく新築当時からのものと思われます。
紙も下地も縁もかなり傷んでいます。
上貼りを剥がすと下貼りが現れます。
「大正三年」や「碧海郡刈谷町」などの記述が見られます。
これは質屋さんの帳面の再利用のようです。
昔は紙が貴重でしたので、このように下貼りとして再利用していました。
和紙は貼り合わせると強靭になり、これを何層か重ねていくと更に丈夫になります。
それはそうと、帳面の内容が興味深く、見入ってしまいました👀
お施主様に伺うと、こちらでは明治初期から味噌醸造所を営む傍ら、質屋も兼業していた時代があったそうです。
なるほど、「質入主」「木綿単物」などの記述が見られますね✐

上貼り、下貼りを綺麗に剥がした後、新たに下貼りをしてからふすま貼りを仕上げます。